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カーディガン、デザートブーツ、チノパンetc ‥。実はミリタリールーツ! あの名作の誕生秘話を探る

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カーディガン、デザートブーツ、チノパンetc ‥。実はミリタリールーツ! あの名作の誕生秘話を探る

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うっすらとミリタリーが出目だというのは聞いたことがあるものの、実際にどんなストーリーや背景があるのか具体的に知らないアイテムも多くあります。
そこで今回は、あまりにも定着し過ぎて見過ごされているけど、実はミリタリーがルーツになっているアイテムと、その誕生秘話をご紹介!

Trench Coat(トレンチコート)
塹壕を駆ける兵士のために開発された軍用コート

兵器の圧倒的な進化により、それ以前の戦争とは全く違う様相となった第一次世界大戦。そんななか、寒冷・泥土地の塹壕(トレンチ)を生き抜くために英国軍に採用されたのがトレンチコートだった。その卓越した機能性と意匠のお陰で戦後はファッションアイテムとして認知され、現在に至る。
原型となったのは、1910年にバーバリーが開発したタイロッケンコートと、1912年にアクアスキュータムが開発したロッカビーコート。1915年に英国軍がトレンチコートを採用してからは、同2社がメインのコントラクターとして軍にコートを共有し続けた。
アクアスキューのKINGSWAY ¥220,000(オッジ・インターナショナル TEL.03-6734-0461)

Regimental Tie(レジメンタルタイ)
いわば連隊章! その起源は17世紀まで遡る

日本語で「連隊の」を意味するregimenta(レジメンタル)のネーミングからも分かるとおり、レジメンタルタイもミリタリー起源のアイテム。元々は斜めに入ったストライプの色やその組み合わせによって連隊を分けていた、英国軍旗がそのルーツとなる。
例えば王立海軍(Royal Navy)であればネイビーカラーに赤と白のストライプ。英国陸軍通信部隊であればネイビーカラーに緑と白のストライプといったように、連隊によって様々な組み合わせが存在する。19世紀以降は軍のみならず大学や警察機関なども独自柄のレジメンタルタイを使用するようになった。
左/STEPHEN WALTERS ¥16,500(オンワード竪山 お客様相談室 TEL.03-5476-5811)
右/BROOKS BROTHERS ¥14,300(ブルックスブラザーズ TEL.0120-02-1818)

Teardrop Sunglasses(ティアドロップ サングラス)
アヴィエーターのために生まれたアイプロテクトギア

サングラスが急激に普及したのは第二次世界大戦の頃。航空技術の進化に伴い、より高高度を飛行できる航空機が大量に投下され、アヴィエーター(パイロット)の目を紫外線から守るために開発が急がれたのがその理由だ。そして、そのミッションを主に米国で担っていたメーカーが、ボシュロム社が1937年に設立したレイバン、1833年から続くアメリカン・オプティカル。そして、欧州で担っていたのが、イタリアのラッティ社が1917年に設立したペルソールだった。
当時のヘルメットの視野に沿ったレンズ、テンプルシェイプ、酸素マスクに干渉しないティアドロップ型のフレームはこうして生まれ、その意匠は脈々と現在まで受け継がれてきたのだ。
Ray-BanのAviator Classic 各¥23,980(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス TEL.0120-990-307)

Cardigan(カーディガン)
前開きのボタン止めは負傷兵のためのデザインだった!?

今ではファッションアイテムの定番として認知されているカーディガン。その起源は諸説あるが、英国陸軍軽騎兵旅団長だったカーディガン伯爵7世(ジェイムズ・ブルネデル)が、1853年に勃発したクリミア戦争時に、負傷兵のために軍服の上から着用できるニットを作ったのが始まりという説が有力。
ちなみに同戦争中に発生したバラクラヴァの戦いで、彼が指揮する軽騎兵旅団673名がロシア軍砲兵陣地に正面から突撃し、大惨事とった「軽騎兵旅団の突撃」は、多くの文学、絵画、音楽などのモチーフとして採用されている。
John Smedley ¥38,500(左)、¥39,600(右)/リーミルズエージェンシー TEL.03-5784-1238

Desert Boots(デザートブーツ)
英国陸軍兵士がカイロで手に入れたブーツがルーツ

1825年、イングランド南西部のストリートという町で創業された英国のシューズブランド、クラークス。デザートブーツは1950年に発売されたが、デザインは第二次世界大戦中、クラーク家4代目のネイサン・クラークが、ビルマ(現ミャンマー)に出兵した際、とある英国兵士が履いていたスウェードアッパー、ラバーソール仕様のブーツからヒントを得たと言われている。
発売当時、英国でのリアクションは今いちだったらしいが、米国で大人気となり、その後逆輸入的に人気を博し、’60年代にモッズシューズの定番となった。
CLARKS ORIZINAL ¥25,300(クラークスジャパン TEL.03-5411-3055)

Chino Pants(チノパンツ)
その歴史は「カーキ」カラーとともにあり!

今ではファッションアイテムとして一般的にチノパンだが、そのルーツは1848年まで遡る。英国陸軍を率いるハリー・ラムズデン卿がインド駐留時に、当時の軍服だった白いパンツを、現地調達したコーヒーやカレー、マルベリーを混ぜてカーキ色(ヒンディー語で「土埃」)に染色し、迷彩効果を狙ったことが始まりと言われている。
1878年に勃発した第二次アフガン戦争では、カーキ色のパンツはその迷彩性と、血がついても黒ずむので兵士がパニックを起こしにくいという利点が認められ、制式採用されている。
そして、産業革命に沸く英国マンチェスターで大量生産されたカーキ色のパンツはインドを経て中国へ。それを1898年にスペインに勝利し、フィリピンを治めることになった米国がフィリピン駐在用の軍服として輸入したことから、スペイン語で中国を意味する「Chino」と呼ばれるようになった。
Pt.アルフレッド ¥17,600(Pt.アルフレッド TEL.03-3477-7952)

Styling / Takahiro Nakajima Text / Covo Tagata
MFL vol.13掲載。価格は掲載時の価格のため、変更になっている可能性があります。